花田光世先生特別セミナー「キャリアアドバイザーの役割パートXIX:人的資本経営とセルフ・キャリアドックの融合」 の受講後の感想

2023年2月16日に慶應義塾大学名誉教授 花田光世先生によるキャリアカウンセリング協会特別セミナー「キャリアアドバイザーの役割パートXIX:「人的資本経営とセルフ・キャリアドックの融合」」に参加しました。

 

セミナーの募集要項の主旨として、「ビジネス環境の急激な変化や働き方の多様化など、企業を取り巻く環境が変化している中、個人のキャリア自律支援とともに組織全体の活性化を目指す「組織内プロフェッショナル」としてのキャリアコンサルタントに、社会からの期待はますます大きくなっています。 経営戦略と連動した人材戦略を構築し、企業の持続的な成長につなげる「人的資本経営」への関心も更に高まりを見せています。 我々キャリアコンサルタントは、人的資本経営に対応してどのような新しい活動を担っていくことになるのでしょうか。

キャリアコンサルタントの今、そしてこれからについて共に学んでいきましょう。」とありました。

 

また、講師の花田先生からは「花田先生メッセージ(CCA特別セミナー開催に寄せて)」として、「2023年、企業には人的資本経営の一環として、人的資産形成に向けた対応活動を指標化しそれを公開することが求められています。各社は様々な対応を図ろうとされておられますが、従来型の人事指標や、HRテクベンダーから提起された人事指標の丸のみに走るケースも散見されています。私は「指標」作りにはキャリア自律支援のトータルな活動が不可欠であり、そのためセルフ・キャリアドック活動の展開が重要と考えています。キャリアコンサルタントの新たな活動としての人的資本経営への対応を皆様と検討できればと考える次第です。」とありました。

 

もともとキャリアコンサルタントの資格に興味を持ったのは、企業や法人の組織の在り方と個人のモチベーションの関係に興味があり、時代の流れとともに企業(経営者)と個人(労働者)の関係も微妙に異なってきていることに関心があったからでした。実際のキャリアコンサルタント養成講座での授業は、座学は割と面白かったけどカウンセリングのロープレ(ロールプレイング)があまり興味がわかなくて苦労しました。

 

キャリコンの勉強で、キャリコンの役割として「社会正義」や「組織への働きかけ」が出てきた時は、これが自分のイメージしていたこれからのキャリコンの姿だと思っていたけど、今回の花田先生の話を聞いて時代はずいぶんと進んできているのだと感じました。

 

「人的資本経営」が重視されているというような話をよく耳にするけど、どうしても企業側の視点から「人財(材)」を捉えたものになっているような気がしていました。過去に企業での経営企画や人事を経験してきたこともあり、まさしく当時は企業側からの目線で「人的資本経営」を考えてきた立場なんだけど、2年前に組織から離れて個人で活動するようになってから、個人から見た視点でこの「人的資本経営」を眺めてみると、どうもしっくりこないんですね。どちらかというと、今では個人目線で見ているので、キャリア自律を重視する見かたになってしまいがちです。

 

組織と個人を考える場合、どちらかの立場が「正しい」とか「正しくない」ではなく、両方の視点が必要なんだといまさらながら気付かされます。そういった意味でこれからますますキャリアコンサルタントに求められることは多くなってきそうな反面、あまりにもカバーすべき領域が広まりすぎると、それぞれの領域を満遍なく見渡せる能力も求められるのかな?などと思いました。

 

最近、インド発祥の寓話で数人の盲人が象の一部だけを触って感想を語り合う「6人の盲人と象」をイメージしながら「視点」と「視野」と「視座」について考えることがあります。それぞれの見る位置(視点)や見る幅や範囲(視野)、見る高さや深さ(視座)の全てがそろわないと本当の問題点や実態が見えてこないのかな?と。全てを自分で見ることが出来なくても、違った立場や違った見方をしている人の話を聞いたりすることで、その問題点や実態に迫ることが出来るのではないかなどと考えています。

 

まだまだ学びは続きますね。